べんきょーとかオレきょうみねーし。 かてーきょーしとか会いたくもねーし、とっとと帰ることにした。 玄関のとこでばいばいのキス。 くすくすと小さく笑いながら、ユカが言った。 「うわきしちゃだめだよ、たいちゃん」 アイツは、ちょっとかっトんでるとこがある。 時々、ほんとにオレのこと好きなんか?ってわけわかんなくなる。 だいたい2ヶ月も手ェ出してないって、ありえなくない? 先輩にもわらわれてるよ、まさかおまえがって。 波乗りも興味ねーし格闘技もみねーし、音楽の趣味もなんかふわふわしてる。 ドラマとか映画とかはいっしょにみるけど、どっかちがうとこみてる。 さいしょに会ったとき、アイツのケータイの待受トークでよろこばれた。 オレんちに昔あった絵本の表紙だったからハナシをふったんだけど、 「これ知ってるヒトはじめて〜」 とかいって、そん時わらった顔がたまんなくかわいかった。 「ヘンなオンナ」 よく冷えたビールをオレに手渡しながら、和美さんがつぶやいた。 「ヘンか?みためもそんなハデじゃないし、趣味もふつうだよ」 「ヘン、そんなオンナにひっかかってるアンタもそーとーヘンだけど」 オレが中2、和美さんが高3の時からのツキアイ。 オレの初めては、ぜんぶこのひと。だからオレは頭があがんない。 そしてそれ以上にオレが会いたくなって、よくこの家にきてしまう。 ユカはオレに浮気すんなっつーけど、和美さんとのカンケーは、そーゆーんじゃねんだよなぁ。 「痛いってのはオトコがヘタなの。濡らさないそいつが悪いの。それをわかってないで好きなオトコとヤんないなんて、考えらんない。頭わるい」 「あたまわるいまでいうか」 「アンタが教えてやればいいんじゃない、こんなトコ来てないで」 そう言いながら、ビールを口移し。 そのままふたりでソファに寝っころがって、和美さんはオレの右耳をゆっくりかむ。 オレはコレにすごくよわい。だんだんガマンができなくなってくる。 ユカはかわいいしすごく好きだけど、ごめん、で も こ れ は 浮 気 じ ゃ ね ー か ら 。 |